アウフヘーベン

雑多。音楽、哲学がメイン。自分の経験談など。

THE OVER/UVERworld

色々悩んだ挙句、今回はMrs. GREEN APPLEではなく、違うアーティストから一曲、またとても心を打たれる曲をご紹介します。

 

今回紹介する曲は

「THE OVER/UVERworldです。

 

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UVERworld 『THE OVER』

 

私は「一滴の影響」という曲で数年前にUVERworldさんを知ったのですが、そのあといろいろな曲を漁っていた時に見つけて、それから今も大事に聴いている曲です。

一滴の影響」とかなり悩みました。また別の機会に紹介したいと思います。

 

まずUVERworldの曲を聴いた第一印象は、声が綺麗すぎる…!メッセージ性が強い…!という感じでした。

訴えかけるような力強さを持っていて、すぐに虜になりました。

 

 

この曲ですが、動画の概要欄には次のようなことが書いてあります。

 

”まるで映画や小説のようなこの作品は、心に宿る、自分が知りすぎた自分自身。そしてそのコンプレックスを超えた先にある自分。切ないラブソングの中に、誰もが自分を超えられるんだという力強いメッセージが込められています!”

 

これはラブソング設定なのですが、歌詞によって、親友や家族など、「大切な人」に対しても当てはめられるような歌詞だと思います。

 

「大切な人」がいる。一緒にいたい。守りたい。そんな想いがありながら「大切な人」を幸せにできないのではないかという自分への不安や不満、悩みが詰まっています。

 

聴きながら書き始めたのですが、全く割愛できる場所すらも見つからず、長くなってしまいそうです……宜しくお願いします…(笑)

 

 

 

まず、前奏はなく、

『最後まで嘘ついてまで一人になろうとするんだね

何もかも嫌になってしまう程 自分のことを知りすぎているから

いつからか僕はもう逃げようとしてた』

と始まります。

大切な人がいる、ということは必ずしも、何時も幸せであるわけではありません。その人が大切であるが故に悩んでしまう。

 

ここまでの冒頭でまず、概要欄に書いてあったことを想起させますよね。

 

『大切な君だけは 失いたくないから本当の自分を隠して またつくろって行く

僕はいつか失ってしまう 分かってるからもどかしいよ』

自分のことを知っているから、そして大切な人を大切にしたから、自分を隠してしまう。そうすることでいつか失ってしまう。

ここまで自分でもわかっているんです。でも、自分のComplexやダメなところを知っているから隠してしまうという葛藤。

きっとこの経験は、決して珍しくないことなのではないでしょうか。

 

『テレビの中の俳優や大富豪やビックスターなら

君を満足させれるだろう そして幸せにもするだろう

でも僕は君を想うしか無い 僕は君を想うしか無い

伝えようとして 空を眺め立ち止まる

傘をさすかどうか迷うほどの雨 思い切りの無さは僕のようだった』

これが1番のサビになります。魅力がたくさん詰まっていませんか??

 

大切な人を前に、「自分じゃなければ」と思ってしまう。

この世の中には自分よりもはるかに格好良くて堂々と生きている人がたくさんいて、そんな人の方が幸せにできるのだ、それに比べて「僕は君を想うしかない」。

「僕は君を想うしかない」と繰り返すところが訴えかけるようで、心に響きます。とても悲しくて、寂しくて、でも力強い感じです。

 

「君を想うしかない」僕は、そして、それを君に伝えるしかないのです。それが自分にできる精一杯。でも勇気がない。打ちひしがれたように空を眺める。

自分に降り注ぐ雨は思い切りの無い僕のようだった……この喩えが非常に文学的というか、小説のような美しさがあります。

情景描写から自然と比喩へもっていっているのも、非凡だと思いました。

2番も同じ位置に別の美しい比喩があります。

 

2番から、音楽自体の盛り上がりもあり、より「僕」が言いたいことがはっきりとしてきます。

今までは弱気で否定を重ねていますが、「こう思っているんだ!」という心情がだんだん強く伝わってくるようになります。

 

『伝えたい気持ちは溢れてくるのに 言葉にすればする程違って行く

それが もどかしいんだよ』

1番のサビの最後に会ったように、「思うしかない」故に「伝えなければならない」のに伝えられないのは、うまく伝えられないから。

頭の中ではどんどん想いは膨らむのに、いざ言葉にすると違っていく。

とても切ないです。胸が締め付けられます。

ここの「もどかしいんだよ」も、1番は「分かってるからもどかしいよ」に比べて時間をかけて歌っていますし、より強めの口調になっています。

 

『一番幸せ願って 一番哀しませてそうで

自分に自信が無かった できるだけ1人で生きて来た

でも君だけが離せない なぜ君だけが離せない

一人じゃないと理解してしまった感情を

抑えきれないと認めた時になぜ涙が出たのかは分からないけど

よく見れば青空も青一色じゃない その複雑さ 心を映したようだった』

これが2番のサビになります。メロディも一番と少し違い、歌詞も長いです。

 

1番であったように、自分でなければもっと幸せにできるはずだ、と、誰よりも幸せを願っているからこそそう思ってしまう。

自分のことを知っているからこそ哀しませているんじゃないかとも思う。

自信が無くて、そんな大切な人のために一人で生きていこうとしていたのに「君が離せない」。

2番は「君が離せない」を強く強く訴えています。ここも心にグサグサ刺さります。

 

「一人じゃないと理解してしまった感情を

抑えきれないと認めた時になぜ涙が出たのかは分からないけど」

ここもまた小説のようだと思いませんか?なぜ涙が出たのでしょうか。

大切な人のために一人で生きたい、でも一人でいたくない。大切な人がいる自分は一人じゃない。

嬉しかったんだと思います。しかし、それと同時に悲しくもあった。

幸せにしたいのに、哀しませてそう。こんなに悔しくてもどかしくて切ないことが、それが本当に「大切」ということなのだと思います。

 

今まで話したようにいろんな葛藤やジレンマがあって、一言では表せない「複雑さ」がありますよね。

それがまさしく、青一色ではない青空のようだったのですね。

ですが1番は雨と天気は悪かったのですが、2番では空が青いわけですから晴れています。心情の変化と合わせたのでしょうか…

また非常に美しい喩です。。。

 

 

ここから、個人的にギターとドラムがかっこいいな、という場面でもあります。

そしてさらに歌詞にも切なさと力強さが増します。

そして「僕」の気持ちもはっきりとしてきます。大切な人に向けて、自分の中で覚悟を決め、決意をします。

 

 

『未来へ向かうボートに乗って オールで漕ぐ僕からすれば後ろに進む

僕には進む先は見えない でも君が向かいに座って見ていてくれるなら

何処に辿り着いたって 辿り着かなかったとして

未来を想像すればだいたい幸せだった』

ここも喩えが出てきます。お互い支え合える、結果を求めるのではなく、一緒にいたい、という想いが伝わってきます。

自分が思う、こう在りたい、という像がはっきりとしています。

 

『ああ 好きだよ 君も僕を選ぶなら もう離そうとしないよ』

「ああ 好きだよ」の部分ですが、サビなどと比べて音も低めですし、声も大きくなく、儚げに歌うんです。

ここが、一味違うな、と思わせられました。

「好きだよ」というのは、今までの葛藤があって、そしてこの喩えあって、ようやく絞り出した純粋な気持ちです。

いたってシンプルで、ストレートな一言。心に沁みます。めちゃくちゃ素敵です。

そして「もう離そうとしないよ」と今まででかなり確信的な言い方をしています。

覚悟が決まってきているような感じがしますよね。

 

そしてラストスパート。

 

『年をとり日が経って 言葉さえ失って

二人過ごした日々を君が忘れてしまったときも

変わらず手を握りしめ 変わっていく君を支えて

最後まで心で対話して 守り優しさを与えていくよ

いつまでも君を想うだろう 最後まで想い抜くだろう

一人じゃないと感じさせてみせるよ』

ここの部分の歌詞、めちゃくちゃかっこいいと思いませんか。

どんな時も大切にするという純粋な気持ちを貫き通した覚悟、決意。

そして「変わらず君を握りしめ」「変わっていく君を支えて」という対も、まさに詩のようですよね。言葉選びが美しい。

 

最後のこのさびでは「君を想う」を繰り返しています。

しかもここ、「想い続ける」じゃなくて「想い抜く」という言い方もまたかっこいい。

2番のサビで「一人じゃないと理解してしまった感情を」とありますが、最初は自分が「一人ではない」ということが少なからず哀しかった、つらかったと思います。

しかし、そこを「一人じゃないと感じさせてみせる」と決意したことで乗り越えたのだ、と私は思いました。

 

後まだ少し、歌が残っていますが、もう聴けばわかります。

最後の最後まですごく丁寧で、心が込められています。

本当に素敵です。恋人がいるいないにかかわらず、こういう感情の葛藤を映した歌詞は心に響くと思います。

そしてさらにこのUVERworldというアーティストが奏でることによってより感動が生まれます。

是非聴いてみてください。

 

 

 

p.s..今更ながらですが、歌詞の解釈は人それぞれです。

私は自分自身が影響を受けた曲を中心に書いていて、自分が感じたこと書いています。

ご了承ください……

 

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。